無菌的処置の徹底
無菌的処置の徹底
歯内療法の目的は、根尖性歯周炎の予防と治療です。
根尖性歯周炎とは、歯の内部に細菌が感染することで引き起こされる根の先の病気です。
そのため、歯髄や根管に対する処置をおこなう際には、可能な限り細菌が入らないように配慮することが重要です。
ラバーダム防湿
神経の炎症(歯髄炎)や根の先の病気(根尖性歯周炎)の原因は細菌です。そのため、歯内療法・根管治療をおこなう際は、患歯を口腔内から分離し唾液などによる汚染を防ぎ「無菌的環境下」にて行うことが重要であり、ラバーダム防湿は必須となります。
また、ラバーダム防湿は、使用する器具が口腔内に落ちるリスク(誤嚥や誤飲)の回避や、使用する洗浄剤(主に次亜塩素酸ナトリウム水溶液)が口の中に漏れないようにする目的もあります。当院では、ラバーダム防湿をおこなった後に、30%過酸化水素と5%ヨードを用い、患歯と術野の消毒をおこないます。
新品器具の使用
当院では神経や根管をさわる器具は可能な限り新品のもの使用しております。たとえ洗浄し滅菌した器具でも、電子顕微鏡レベルで観察すると汚染は残っていることが分かっております。歯内療法・根管治療は細菌との戦いです。細菌感染を起こしうるリスクは可能な限り排除するようにしております。
クラスB滅菌器による器具の滅菌
小型高圧蒸気滅菌器のヨーロッパ規格EN13060では小型高圧蒸気滅菌器の性能要件とそれに付随するテスト方法が規定されています。それらは医科、歯科、獣医科などで幅広く使われています。血液や体液と接触する可能性のある材料や器具には様々な形状のものがあり、それぞれの形状に適した滅菌サイクルで滅菌する必要があります。ヨーロッパ規格EN13060ではクラスB、クラスS、及びクラスNという3種類の滅菌サイクルのクラスがあります。その中で唯一クラスBサイクルだけが全ての形状の被滅菌物(固形、中空物、多孔体、一重包装、 二重包装)を滅菌できるとされています。
(日本の歯科医院で一般的に使用されている滅菌器はクラスNです。)